世界で活躍する日本人フローリストたち
「フローリスト」という言葉が存在します
これまでに「フローリスト」という言葉を聞いたことがない人は、何のことを言っているのか分からないと思います。
実際には、日本を代表するフローリストや世界が注目しているフローリストが存在しています。
フローリストとは何のことなのか、世界で認められているフローリストについて紹介していきます。
・フローリストとは
「フローリスト」とは、花屋の経営者もしくは従業員のことを示していて、花を仕入れて鮮度を保ち、お客さんに喜んでもらえるアレンジメントをして販売することです。
アレンジメントでは花だけでなく、全体の配色を考えながら花を合わせていくため、とてもセンスが問われる職種でもあります。
フローリストとしての活動場所としては花屋以外にも、葬儀場やイベント会場の飾りつけ、レストランや美容室、ホテルなどがあり、ホテルに関しては専属のフローリストが存在しています。
日本にも世界が注目しているフローリストが数名おり、アーティストとして活躍している人もいます。
・東信 AZUMA MAKOTO
東信(あずま まこと)さんは、1976年生まれの福岡出身のフラワーアーティストです。
21歳の時に上京し、花屋でアルバイトを始めたことから仲卸市場で働くようになり、独学で技術や知識を身につけ、2002年には注文に合わせてデッサンし、そのデッサンに合わせた花を仕入れて花束を作るオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を銀座にオープンしました。
2005年には花屋としての活動に加え、植物の表現による可能性を追求した「Botanical Seulpture」を開始し、その芸術性が海外から注目されました。
その後はニューヨークで個展を開いたり、パリやデュッセルドルフなどで実験的な作品を発表し、2009年に実験的植物集団「東信、花樹研究所」を立ち上げ、花や植物などの神秘性を美しく表現した作品が次々に誕生しました。
・谷口 敦史
谷口 敦史(たにぐち あつし)さんは、1975年生まれの和歌山県出身のフローリスト、アーティストです。
芦屋や南青山、パリなどに店舗を構える「アイロニー」のオーナーで、独学ながら自然なバランスと花の持つ色気をコンセプトにしたデザインが多く、数々の有名ブランドからも認められているフローリストです。
店内の装花やイベント装花、顧客へのフラワーギフトなどを手掛けていて、2015年に日本人で初めてフランスのパリに支店を出店しました。
伝統的なクラブを改装したことで海外でも話題となり、パリの5つ星ホテル「Les Bains Paris」の装花やモナコ公国プリンセスアルベール後援、イタリアコロンナ家のプリンセスキャサリン主催の舞踏会「BAL DE L脱TE」への装花を手掛けました。
谷口 敦史さんは花を使った商品企画や広告への花写真の提供など、幅広く活躍しています。
自身の撮影による写真集「FLOWBULOUS」は累計45000部を突破していて、多くの人を魅了しています。
・清野 光
清野 光(せいの ひかる)さんは、1987年生まれの北海道出身のフラワーアーティストです。
23歳の時にカナダに単身で渡り、ファッションプロデューサーであるKeiko Boxollに師事し、数々のオートクチュールブランドのファッションショーに携わってデザインを学びました。
日本に帰国後、26歳で「世界一花を愛せる国を創る」というコンセプトの花屋「GANON FLORIST」をオープンし、六本木ヒルズ・森ビルのエントランス装花、ケイト・モスのパーティなどの装花を手掛けています。
清野 光さんは東京とロサンゼルスを拠点にフラワーアーティストとして活躍していて、スペインのガウディ建築でのショーやバルセロナでマエストロとして講演会に呼ばれるなど、世界で活躍しています。
・和田 浩一
和田 浩一(わだ こういち)さんは、1968年生まれの東京出身のフラワーアーティストです。
20歳の時に花業を開始し、ウェスティンホテル東京に在籍しているときはウエディングやパーティ、イベントなどのフラワーデコレーションを多数手掛けました。
その後、フリーランスとして活躍し、独自の世界観を表す花屋「劇的花屋/ドラマティックフラワーズ」を設立しました。
現在は活動の場を広げており、大手ブランドのCM・ブランドムービーやポスター、大ヒット映画「アメイジングスパイダーマン」のパーティーテーブルなどの装花を担当したことでも知られています。
・ニコライ・バーグマン(Nicolai bergmann)
ニコライ・バーグマンは、デンマーク出身のフラワーアーティストです。
現在は東京を拠点に活動を行っていて、フラワーボックスが有名です。
2001年には自身のフラワーブランド「ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン」を創設し、2010年には南青山にてカフェやフラワースクールを併用した「ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン フラッグシップストア」をオープンしました。
現在は国内・海外を含め12店舗を展開していて、世界中で様々な活動を行っています。
ニコライ・バーグマンはニューヨークタイムズスタイルマガジン、エポックマガジン、日本の雑誌でも大きく取り上げられるほど世界で注目されていて、フラワーレッスンやフラワーカフェの経営の他、香水のプロデュースなども行っています。
・ローラン・ボーニッシュ(Laurent.Borniche)
ローラン・ボーニッシュは、フランス・ヌイイ市出身のフラワーアーティストです。
100年近い歴史ある花店の4代目として生まれて16歳で花の世界に入り、現在は日本在住のフランス人フラワーデザイナとして活躍しています。
ローラン・ボーニッシュはパリの老舗花店で経験を積み、1998年に日来日し自身がオープンしたフラワースクールにて、フレンチスタイルのレッスンでたくさんの受講生をもっています。
豊富な知識と熟練された技術によって生まれた作品は洗練されたデザインばかりで、色彩感覚や感性などが芸術的だと、日本の花業界に大きな影響を与えています。
・フローリストになるには
フローリスト・フラワーアーティストは世界で活躍している方も多く、華やかな職業に見えます。
しかし、フローリストはただ花屋などでバイトをしてなれるものではなく、フローリスト検定試験をクリアをする必要があります。
試験をクリアしたからと言って、すぐ世界で活躍できる人は数少なく、コツコツと実績や知識、技術を身につけていく必要があるのです。
世界で活躍しているフローリスト・フラワーアーティストの多くは、並大抵の努力では達成することができません。
もちろん日本出身のフローリストにも、数えきれないほど素敵なフローリストがたくさんいます。
フローリスト・フラワーアーティストが手掛けた作品は心を癒す力があり、元気や活力をもたらしてくれるものもあるので、ちょっとした空き時間や休日などに芸術作品に触れてはいかがでしょうか。
・まとめ
フローリストは日本だけに留まらず、海外で活躍している人もいます。
世界各地のイベントなどで活動している人、花屋をオープンした人、映画のパーティーテーブルなどを手掛けた人など様々で、活動場所も多岐にわたります。
フローリストの作品は写真集なども販売されているので、自宅で芸術の素晴らしさに触れることもできます。
紹介したフローリスト・フラワーアーティストの中で気になる人がいたときは、それぞれのホームページや動画などからより詳しく見ることができます。