お花見でよく見かける桜の名前は?
日本の桜の種類と見分け方
お花見というとお酒や美味しいご飯を食べながら、皆でワイワイ過ごすイメージがあり、年間行事としても欠かせないもののひとつになっていることでしょう。
しかしいつも何気なくお花見を楽しんでいるだけで、桜の種類について詳しく調べたことがない、気にしたことがなかった、という人もいると思います。
実際にお花見をする場所には、「○○サクラ」などと書かれていないこともあり、いつも見ている桜はどんな種類だろうと思うこともあり、結局は何の種類だったのか分からないまま忘れてしまうケースもあるでしょう。
そこでお花見でよく見かけることになる桜の種類と、その見分け方について紹介します。
桜にはどれくらいの種類があるのか
現在、日本にはどれくらいの桜の種類があるのでしょうか。
実は桜の種類は変種したものなどを合わせると、200種類以上あると言われています。
しかしこういった桜はヤマザクラやオオヤマザクラ、オオシマザクラなどの10種類の桜を基本に変種したものです。
一重咲や八重咲き、枝垂れ咲などの品種によって、様々な桜の形や色合いを楽しむことができます。
桜は日本の国花であり、日本人は古くから桜に親しんできました。
お花見が行われるようになったのは奈良時代とも言われていて、貴族が始めた行事です。
当初は中国から伝来した梅の花を観賞するのが一般的だったようですが、平安時代に入ると桜を鑑賞するように変わっていき、現代でも毎年春になると桜の名所や公園など、各箇所でお花見をしている姿を見かけます。
お花見では「花より団子」という言葉があるように、桜を楽しむというよりは、お酒やその場に出る屋台などで食べ物を購入したり、お弁当などを持ちあいワイワイ楽しむことが一般的となっています。
しかしこういったことが楽しく感じられるのも、美しい桜が咲き誇っているからです。
お花見は毎年していたとしても、桜の種類を知らないという人も多いと思います。
そこで、まずは代表的な桜の種類を紹介していきます。
日本で最も多い「ソメイヨシノ」
桜と言えば「ソメイヨシノ」だと言う人が大半だと思われますが、その理由として全国の桜の約80%を占めていると言われています。
道を歩いているときに見かける桜は大半がソメイヨシノであり、小さい頃から親しみがある種類ということで認知度としては最も高い桜と言えます。
ソメイヨシノの歴史は、江戸時代末期に江戸染井村の植木屋が、良しの桜と名付けて売り出したのが始まりです。
明治以降は、河川敷や学校の校門近くなどにたくさん植えられたことから、今では様々な場所でソメイヨシノを楽しむことができます。
花びらは一重で、花柄が長く伸びるのが特徴になります。
ソメイヨシノの桜の木は成長が早く、若木から花を付け条件が揃った場所では一斉に開花するため、桜の開花予想はソメイヨシノを基準にしていると言われています。
ソメイヨシノは、お花見シーズンとなる3~4月頃に一斉に咲き誇りるため、お花見の名所と言われる場所では、主にソメイヨシノの木が多いと考えられます。
本州や四国、九州などでよく見られる「エドヒガンザクラ」
エドヒガンザクラは、本州や四国、九州などでよく見かける種類なので、見かけたことがあるという人も中に入るのではないでしょうか。
樹高は15~25mくらいで楕円の花を咲かせ、花弁は5枚で一重となるのが特徴です。
色が薄紅色から白に変わるのも特徴になり、丈夫で花がたくさん咲くことから品種の母種として使われることが多く、ソメイヨシノの片親としても有名な桜です。
日本三大桜と呼ばれている山高神代桜は樹齢2,000年以上になり、根尾谷淡墨桜は樹齢1,500年以上、三春滝桜は樹齢1,000年以上と言われています。
これら日本三大桜は国の天然記念物に指定されていて、エドヒガンザクラが開花する3月下旬頃になると、キレイに咲き誇ったエドヒガンザクラを一目見ようと、世界中から観光客が訪れます。
樹の高さが他の桜と比べて低い「マメザクラ」
マメザクラは箱根や伊豆、富士山などの標高1,500m以下の低山から丘陵帯に咲く種類で、樹の高さは他の桜に比べて低いのが特徴です。
マメザクラはフジザクラとも呼ばれていて、岩石地に生えているものだと1m以下で花を付けるものもあります。
花の大きさは大体1~2cm程度と他の桜に対しては小さく、下向きに咲くのが特徴となっています。
開花となる時期は地域によって異なるのですが、自生地では3月下旬~5月上旬、関東では3月下旬~4月上旬頃に咲くと言われています。
古くから詩や歌で親しまれてきた「ヤマザクラ」
ヤマザクラは古くから詩や歌で親しまれてきたため、桜の中でも代表的な種類となっています。
山地に広く自生し関東地方や中部地方、南部地域などでもよく見受けられます。
この桜の特徴は花と同時に葉っぱが出るところで、花弁は5枚で淡紅色の花を咲かせ、葉色は赤紫や褐色など色が変化するのが特徴です。
ヤマザクラの開花は鹿児島で3月中旬~下旬、京都や東京などでは4月上旬~中旬が見頃となります。
桜の中で最も寒さに強い「オオヤマザクラ」
オオヤマザクラはヤマザクラよりも花や葉っぱが大きく、寒さに強くて北海道の山地でよく見られる桜です。
オオヤマザクラはエゾヤマザクラとも呼ばれていて、花の直径は大体3~5cm程度、ソメイヨシノに比べて濃いピンクの花を咲かせるのが特徴です。
オオヤマザクラの開花時期は4月中旬~5月上旬頃で、夏になると小さな黒紫色の身を付けます。
桜はこれらの種類の他にカンヒザクラやオオシマザクラ、カワヅザクラなどがあり、こちらの桜も日本の代表的な種類となっています。
特徴から桜の種類を見分ける方法とは?
桜の種類はシダレザクラなど見た目が一風変わっている桜であれば、桜にあまり知識がない人でも簡単に見分けることはできるのですが、見た目が似ている桜はどのように見分ければいいのでしょうか。
桜の見分け方としては、花の色や大きさ、花びらの特徴などから見分けることができます。
桜の色としては、淡紅色や紅色、濃紅色など6つのカラーがあります。
白はオオシマザクラや炭ザクラなどで、淡紅はソメイヨシノやシダレザクラ、紅色はオオヤマザクラ、濃紅色はベニシダレやオオタザクラなどで、紫紅はカワヅザクラやカンヒザクラとなっています。
桜の大きさは小ぶりの2.5cmくらいのものから6cmまでのサイズがあるので、サイズから桜の種類を判断することも可能です。
桜の形は花びらの特徴から見分けることもでき、一重咲きはソメイヨシノやエドヒガン、オオシマザクラやカンヒザクラ、カワヅザクラなどで一重・八重咲きはシズカザクラやチハラザクラなどとなっています。
桜の形などから種類を見分けられないときは、桜の開花時期に注目してみると種類が分かるかもしれません。
同じ地域に咲いている桜でも、種類によって開花時期が異なります。
一足早い3月上旬に咲く桜はカワヅザクラやカンザクラで、ソメイヨシノは4月上旬に開花するため、桜の開花がいつ頃なのかを調べてみると、桜の種類が分かることもあります。
桜の種類を見分けたい場合は遠くから花を楽しむだけでなく、花の近くに行って花の特徴や開花時期などから、桜の種類を見分けてみるのも面白いでしょう。
お花見の楽しみが増えることによって、各地域の桜の名所に行き、色々な種類の桜を見つけることができれば、今まで以上に桜の名所に行くのが楽しくなりますし、桜の花を楽しむ方法も増えるのではないかと考えられます。