正月飾りと縁起の良い花
年末に飾る正月飾りは「門松」や「しめ縄」、「鏡餅」などをイメージすることが多いと思います。
そもそもお正月の行事はその年の神様を迎える日とされていて、生きる力や幸せをもたらせてくれるとも言われています。
門松やしめ縄、鏡餅などは神様を祀るものとして、昔から正月の必須アイテムとなっています。
正月には門松やしめ縄、鏡餅などを飾るのは知っていても、あまり意味が分からないという人のために、意味を紹介しながらお部屋を華やかにしてくれる、正月に縁起の良い花について紹介したいと思います。
・門松の意味
門松には松・竹・梅などがあしらわれていて、それぞれに意味があります。
松は祀るという意味があり、繋がる樹木としておめでたいと言われています。
竹は2~3日程度で背丈ほどに伸びるということから、生命力の象徴という意味が込められています。
梅は春に咲く花で、新年の始まりにふさわしい花としてあしらわれています。
正月飾りの中でも玄関などに飾る門松は、年神様が家に訪ね入るにあたり、目印として飾るもので、縁起の良い松・竹・梅の3つが用いられています。
・しめ縄の意味
しめ縄は神社と同じようにしめ縄を張りめぐらせ、神様を祀るのにふさわしい神聖な場所であることを意味しています。
しめ飾りはしめ縄に縁起が良いものとされている飾りつけがあしらわれたもので、神の力が宿る紙とされている御幣、家計が長く続くことを願うゆずり葉があります。
・正月飾りを飾るタイミング
門松やしめ縄などの意味を知ったところで、正月飾りはいつ飾ればいいのか分かりにくいという人も多いのではないでしょうか。
正月飾りは一般的にクリスマスを過ぎた26日頃から飾るのがいい、と言われています。
年末の中でも28日は末広がりの8、30日はキリがいい数字とされていますので、この頃に正月飾りを飾る家もあります。
29日と31日は正月飾りをするのにはふさわしくないと言われています。
29日は苦を連想させ、31日は葬式と同じ一夜飾りとなってしまうため縁起が悪いとされているので、クリスマスが終わった26~28日くらいを目安に、玄関先に門松やしめ縄などを飾りましょう。
・マンションと一戸建て、お正月飾りの飾り方
門松やしめ縄は、マンションと一戸建てで飾り方が異なることがあります。
一戸建ての場合は門松やしめ縄などは玄関先に飾ることができるのですが、マンションの場合は正月飾りを置くことは禁止されているケースもあります。
マンションによっては玄関のドアの外側に飾ることが大丈夫なところもあるので、規約を確認してから正月飾りを行いましょう。
正月飾りが禁止されている場合は、玄関の内側に門松やしめ縄などを飾りましょう。
正月飾りは神様に見ていただくという意味があるので、人が座っている目線よりも高い位置に飾るのが適切だとされています。
近年では正月飾りも変わってきていて、洋室やマンションにも飾れるようなものが増えてきました。
中には手作りで正月飾りを作ったりして楽しんでいる人もいるようです。
・正月飾りを片付けるタイミングと処分方法
正月飾りを片付けるタイミングは、関東や関西など地域によって異なります。
門松を飾るのは松の内と言われる1月15日までとされているのですが、一般的には1月7日頃から片付け始める家庭が多いそうです。
では、正月飾りを飾り終わった後は、どうやって処分をしたらいいのでしょうか?
昔は1月15日に行われる「どんど焼き」という祭りで、正月飾りを集めて焼いて奉納していたようですが、最近では神社などで集めているところも増えてきています。
1月15日は仕事が始まって都合が付かないというときには、庭で処分することも可能です。
庭で正月飾りを処分する場合は庭の土を塩とお神酒で清めた後、清めた土の上で正月飾りを焼きます。
その際に出た灰はそのままにはせず、新聞紙などで包んでゴミ箱に捨てましょう。
マンションに住んでいて庭がないという場合は、大きめの紙を用意して左右・真ん中に塩を置き、その紙に正月飾りを包みます。
その後、他のゴミと一緒に出すのではなく、新しいゴミの袋に入れてゴミの日に出しましょう。
正月飾りの処分の仕方は住んでいる地域によってルールが異なるので、ルールがある場合はそれに従って処分しましょう。
・正月に縁起の良い花
門松やしめ縄などは玄関先に飾るもので、玄関先ばかりに意識が行くようになり、ついお部屋の中が殺風景になってしまうという家庭も多いのではないでしょうか。
正月は遠方に住んでいる子供や孫が家に帰ってくる日でもあるので、少しでも部屋の中を華やかにしておきたいという人もいるでしょう。
正月は縁起が良いものとされる門松やしめ縄などを飾るので、お部屋にも縁起が良い花を飾って、帰ってくる家族が楽しく、華やかな気持ちになれるものを選びましょう。
正月に縁起が良いとされている花はいくつかあり、マツやセンリョウ、マンリョウやオモトなどがいいとされています。
マツは昔から神様が宿る神聖な木とされていて、「不老長寿」や「向上心」といった意味があります。
センリョウには「富」や「お金持ち」という意味があり、繁栄を祈りたいときの正月飾りとして選ばれています。
センリョウやマンリョウに実る赤い実は「お金」に見立てられていて、たくさん実るものほど縁起が良いと言われています。
オモトは長寿という意味があり、ハボタンは祝福を意味しています。
ハボタンは別名ハナキャベツとも呼ばれていて、包む料理に使いやすいということから愛を包むという意味もあるようです。
他にも、フクジュソウやウメ、ウメモドキなども正月に縁起が良いとされています。
フクジュソウは「幸せを招く」、ウメモドキは「知恵」や「深い愛情」といった、祝い事にふさわしい花なので、お部屋の中が寂しいと思ったときは、これらの縁起の良い花をお部屋に飾り、心も晴れやかにしてはいかがでしょうか。
・縁起が良い花を長持ちさせるポイント
縁起が良い花を部屋に飾ったとしても、すぐに枯れてしまっては縁起が悪いのではないか、と思ってしまうこともよくあります。
切り花の場合は水揚げをすれば、再度茎が水を吸い上げてくれるので、切り花でも長持ちさせることができるでしょう。
切り花を手入れするときは、水を溜めた容器の中で茎を斜めにカットして、花瓶を洗って新しい水に変えてあげましょう。
水揚げをするときはよく切れるハサミを使い、一気に切ることがポイントです。
茎を切った際は周りの葉っぱを切り落とし、水の中に葉っぱが入らないようにすると長持ちさせられます。
縁起が良い花を長持ちさせることができれば、家族が帰ってくる間は、キレイな状態のまま保つことができるでしょう。
正月飾りは1つ1つにきちんとした意味があり、年神様を迎える大切な行事です。
今まで家に何となく飾られていて意味も知らなかったという人も、きちんと知識を持って飾ることにより年神様を迎えられるので、その1年が良い年になるのではと考えられます。
正月は門松やしめ縄だけでなく、お部屋の中も縁起が良い花を飾り、年神様に見ていただいて帰ってくる家族にも幸福のおすそ分けをしてはいかがでしょうか。
実家に帰ってくれば幸せな気持ちになれると思ってもらえれば、年に1回ではなく、年に2~3回と帰省する回数が増えたり、子供やお孫さんの顔を見る機会も増えるかもしれません。